IPA(情報処理推進機構)が発表した『情報セキュリティ10大脅威 2026』個人編は、順位ではなく五十音順10項目。
本記事ではTOP3深掘り+VPN・1Password・2FA・自動更新・フィッシング見抜き方の5つの防御で守りを設計します。
2026年1月、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が『情報セキュリティ10大脅威 2026』を発表しました。個人編は2026年版から「順位なし・五十音順10項目」に変わり、5月にはハンドブックと対策マッピングシートも公開されています。
本記事では、IPA公式と一次資料をベースに、10大脅威の中身・TOP3の深掘り・個人ができる5つの最強防御までを一本で整理しました。「全部読まなくても、5つの仕組みを今日入れれば6割は守れる」設計です。むずかしい専門知識はいりません。
まずは、IPAが2026年版で挙げた10項目をざっと一覧で押さえておきましょう(五十音順・順位なし)。「自分に関係ありそう」が1つでもあれば、もう自分ごとです。赤色の3つは本記事で深掘りします。
📋 IPA 10大脅威 2026(個人編)一覧
※ 2026年版から順位はなく、すべて「同じくらい身近で危険」という位置づけです。
📊 数字で見る被害状況——なぜこの10項目なのか
「順位なし」とはいえ、選定の裏づけはすべて公的な被害統計です。代表的な4項目の最新データを並べました。
クレジットカードの不正利用
510.5億円
2025年の年間被害額。3年連続で500億円超。被害の約95%がカード番号の盗用。出典:日本クレジット協会(2025年)
ネットバンキングの不正送金
約42.2億円
2025年上半期だけで2,593件・前年同期比約7割増。手口の約9割がフィッシング。出典:警察庁(2025年上半期)
フィッシングの報告件数
月20万件超
2025年は年間で過去最多を更新。直近5年でおよそ10倍に急増。出典:フィッシング対策協議会(2025年)
サポート詐欺(偽警告)
8.5億円
2025年上半期の被害額。認知件数は679件で、高齢者を中心に被害が続く。出典:警察庁(2025年上半期)
どれも「企業の話」ではなく、カード・ネット銀行・スマホ決済を使う“ふつうの個人”が直接ねらわれた金額です。だからこの記事では、赤色のTOP3を中心に深掘りします。
「文字だけだとピンとこない」という方へ。この10項目は、多くの人にとって「ありえる1日のシーン」の中に潜んでいます。まず3シーンを見てください。
会社近くの駅のフリーWi-Fiに繋いだまま、メールチェック→Amazon→ネットバンキングを確認。そのWi-Fi、本物のSSIDをコピーした偽物(Evil Twin)だったらすべての通信が見えています。
「ヤマト運輸:荷物のお届けに失敗しました。下記URLからご確認ください」。タップして開いたサイトはAmazonログイン画面そっくり。ID・パスワードを入れた瞬間、不正ログインが始まります。
「あなたのPCはウイルスに感染しました。すぐに0120-XXX-XXXまで」。サポート詐欺の典型です。電話した瞬間、遠隔操作ソフトを入れさせられ、ネットバンキング情報を抜かれる流れまでテンプレ化しています。
IPA 10大脅威 2026は「個人編は順位なし・五十音順10項目」。どれも同じくらい身近で、どれかひとつでも穴があると一気に抜かれます。
答えはシンプルで、『気合』『記憶力』ではなく『5つの仕組み』で守ること。守るのはこの5つの防御です。
有料は①②だけ、③④⑤は完全無料。1日コーヒー1杯をがまんするまでもない金額で、10大脅威のうち6つ以上を実用十分なレベルまでブロックできます。もし狙われれば、被害は数十万〜数百万円規模。“年1万円ちょっとのデジタル保険”と考えれば、コスパは圧倒的です。
この記事に出てくる用語を、最初にざっくり押さえておきます。意味が分かるだけで、10大脅威のニュースが急に「自分ごと」に変わります。
2026年版から、個人編は順位を付けず10項目を五十音順で並べる形式に変わりました。「どれが上位か」ではなく「どれも同じくらい危険」というメッセージです。なお下表の【深掘り】タグは、本記事で特に紙幅を割いて解説する3項目です。
このうち「最も多くの読者に当てはまり、被害額も大きい」と判断したTOP3を、次章で深掘りします。
個人編に順位はありませんが、「生活に直結する被害が大きい」3つをピックアップします。組織編の1位『ランサムウェア』は個人にも飛び火しているため、その文脈も含めて解説します。
2026年版・組織編で11年連続11回目の1位がランサムウェア。一般には「企業が狙われる話」と思われがちですが、個人にも無関係ではありません。利用しているサービス会社がランサムウェアに感染すると、保存していた個人情報・カード情報・履歴がまとめて漏えいするからです。
フィッシングは10大脅威・個人編で長年常連。2026年の特徴は、生成AIで文章の不自然さがほぼ消えたこと。「日本語が変だから怪しい」という昔の判別法はもう通用しません。
『不正アプリによるスマートフォン利用者への被害』『スマホ決済の不正利用』『サポート詐欺(偽警告)』は、いずれもスマホとブラウザが主戦場になっている2026年的脅威です。

ここからが本記事の肝です。10大脅威に対し、個人が今日から構築できる5つの防御フレームを提示します。優先度順に並べました。
外出先のフリーWi-Fi・偽Wi-Fi(Evil Twin)からの盗聴を根本から防ぐ層です。VPNを入れておくと、駅・カフェ・ホテルでネットバンキングや業務メールを開いても、通信内容が暗号化された筒の中を流れるため、近くの誰かに読まれることはありません。10大脅威の『不正ログイン』『カード情報の不正利用』『個人情報の窃取』の入口を物理的に塞ぐ1本目です。
10大脅威のうち『個人情報の窃取』『不正ログイン』『カード情報の不正利用』『ネットバンキング不正利用』『スマホ決済の不正利用』5項目に同時に効くのがこの防御です。サービスごとに別々のランダムパスワードを自動生成・自動入力し、漏えいが1社で起きても他サービスには波及させません。
パスワードが万一漏れても、もう1つの鍵(認証アプリのコード/SMS)がないとログインできない仕組み。『不正ログイン』『ネットバンキング不正利用』『スマホ決済不正利用』を実用レベルで止める最強防御です。可能なら認証アプリ(Authy/1Password内蔵2FA)を使い、SMSは最終手段にします。
『不正アプリ』『個人情報の窃取』対策として、ゼロデイ脆弱性が修正されたパッチを即時反映する仕組みです。自動更新オンが、無料でできる最強の予防接種です。
『フィッシング』『メール・SMSによる脅迫詐欺』『サポート詐欺』対策の最後の一手は、人の習慣です。判別力に頼らず「経路で守る」。具体的にはこの3ルールだけで十分です。
頭で理解しても、行動しないと10大脅威は防げません。「今日30分」「週末2時間」「来週末1時間」の3ブロックに分けて、実行プランを置きます。
1Passwordの無料体験を申込 → スマホ・PCにアプリ&ブラウザ拡張を入れる → Google/Apple/メインメール/Amazon/楽天の5サービスを「強いパスワードに変更+2FA有効化」。これだけで10大脅威のうち4〜5項目を実用レベルでカバーできます。
NordVPNを契約 → スマホ・PCにアプリを入れる → 「自動接続」と「危険サイト保護」をオン。同時にiOS/Android/Windows/macOSの自動アップデートをオン。ここまでで「外出先Wi-Fi」「ゼロデイ脆弱性」のリスクが大きく下がります。
家族・パートナーと「フィッシング3ルール」を共有 → スマホ決済アプリの1回あたり上限額・1日上限額を下げる → クレジットカードの利用通知メール(即時通知)をオン。被害が起きた時の「気づく速度」を上げておきます。
本記事はIPA公式の一次資料を起点に、主要ニュースサイト・セキュリティベンダーの公開情報をクロスチェックして構成しました。「個人編は順位なし・五十音順10項目」「インターネットバンキングの不正利用が4年ぶり8回目選出」「組織編1位はランサム攻撃で11年連続11回目」など、定量的な記述はIPA公式またはIPA一次情報を扱う媒体に依拠しています。
5つの防御のうち、VPN(防御①)とパスワード管理(防御②)は月額数百円の有料投資が必要です。長く安心して使えるのは、王道のNordVPNと1Passwordの組み合わせ。両方入れても月1,000円以下に収まります。
🛡 5つの防御の「①と②」を実装する2ツール
VPNと1Passwordは、10大脅威に対する物理的な防衛層。「気合」ではなく「仕組み」で守るためのインフラです。
「結局、何が・どれくらい・誰に起きていて、自分は何をすればいいのか」。最後にもう一度、点と点をつないでおきます。
IPAの10大脅威2026・個人編は、2026年版から順位を廃止し、五十音順の10項目に。「どれが1位か」ではなく「どれも同じくらい身近で、1つでも穴があれば抜かれる」という考え方に変わりました。選定の裏づけはすべて警察庁・クレジット協会・フィッシング対策協議会などの公的な被害統計。今年は『インターネットバンキングの不正利用』が4年ぶり8回目の選出と、スマホとブラウザを起点にした“お金の被害”が再び前面に出ています。
個人情報の窃取/不正ログイン/ネットバンキング不正/カード不正利用/サポート詐欺/スマホ決済不正/誹謗中傷・デマ/フィッシング/不正アプリ/脅迫・詐欺メール——。並べてみると、ほぼすべてが「カード・ネット銀行・スマホ決済」を使う“ふつうの生活”の延長線上にあるとわかります。
「企業の話」ではありません。代表的な4分野の判明している被害だけを並べると——
カード被害の510.5億円を筆頭に、この4分野が見えているだけで年間600億円規模。狙われたのは特別な人ではなく、ネット銀行やスマホ決済を“ふつうに”使う個人、そしてサポート詐欺では親世代・高齢者でした。「自分は大金を動かしていないから大丈夫」は、残念ながら通用しません。
10項目をバラバラに覚える必要はありません。VPNで通信を暗号化し、パスワード管理アプリで使い回しをゼロにし、2要素認証と自動更新で入口を閉じ、フィッシングは“経路”で見抜く——この5つの防御を立てるだけで、10項目のうち6つ以上を実用十分なレベルまで塞げます。有料は2つだけ、月1,000円弱=1日コーヒー1杯にも満たない“デジタル保険”。年間600億円が消えていく世界で、ここまで守れるなら安いものです。
では最後に、本記事の要点を「ありがちな不安」と「その答え」で1枚に整理します。このシートは保存・共有OK。あなた自身のチェックにも、そして親や家族のスマホにスクショで送るのにも、そのまま使ってください。
気になる項目だけでも今日から。スクショして家族・親に送ってあげてください。